当日
琵琶湖岸を走るときのルール
自転車は車道の左側を走るのが原則ですが、琵琶湖の場合は湖岸に自転車歩行者専用道路が整備されているところが多いです。湖岸道路の琵琶湖側の広い歩道のように見える部分がそうです。子どもと一緒の場合はその左側を一列で走りましょう。
歩行者がいる場合は、スピードを落とし、追い抜く場合はベルを鳴らすのではなく(歩行者に鳴らすのは違反)、声をかけて、安全な間隔を取るようにしてください。道を譲ってもらった場合は「ありがとう」と声をかけることを忘れずに。間隔がとれない場合は自転車を降りましょう。
グループ分け
1グループあたりにできれば子ども3人、多くとも5人までにし、その前後に大人が一人ずつ付くようにしましょう。人数が多い場合はそれを基準にいくつかのグループに分けます。
子どもの体力に差があったり、スポーツ自転車とママチャリなど走れるスピードに差がある場合は、早い組とゆっくりの組等、スピードごとに分けてください。
スピードは時速18kmくらい(先導する方の自転車にはスピードメーターを付けることをお勧めします)を目安にしますが、グループ内で一番体力のない子を先頭の大人の次に配置し、その子のペースに合わせて走るように、またサイクリングに一番慣れている大人が、最後尾になるようにしてください。
出発前に
子どもたちに、前日よく寝られたか、朝ご飯を食べたか確認しておきます。寝られなかったり食べていない子がいれば、走行時に気にかけておくようにしましょう。
準備体操で体をほぐすことで、怪我や体を痛めることを減らせます。ラジオ体操のように、もも上げ、各部を回す、屈伸、前後屈、腰回し、ジャンプ等を行い、体に違和感がないことをチェックします。いきなり自転車に乗るのではなく、最初は押して歩くのも準備運動になります。曲がる、止まる際のハンドサイン(後述)も確認しておきます。
走る順番、自転車同士の間隔は自転車1台分くらい開ける、一列走行、併走しない、前の人を抜かさない、歩行者への配慮など、自転車のルールとマナーについて子どもたちと一緒に確認しておきましょう。
走行前にグループごとに写真を撮っておくと、グループの一体感を高めるのに役立ちます。
本番で走り出す前に、公園や空き地などで少し自転車に乗って練習し、自転車に問題がないか、体に違和感がないかを確認しておきましょう。
ちゃんと走れるか不安に思っている子どももいるかもしれません。遅れても放っていくようなことはしないこと、みんなで支え合って走ろうということを伝えておくことも忘れないでください。
走り方
自転車同士の間隔は、自転車1台分くらい空けるようにし、複数のグループに分ける場合は、グループ間は十数m程度を目安に開けてください。(長く列が連なると、後続の車の迷惑となります)。
後ろに続く人のことを考えて、また転倒などを避けるために、ブレーキは両手でゆっくりかけるようにしましょう。
曲がるとき等は、大人はハンドサインとともに「左に曲がります」等の声を出します。子どもは片手運転になると危険なため、ハンドサインは出さずに声だけ出すようにしてください。
ハンドサイン
約50分走って、5分から10分休憩を目安とします。休憩の間隔は約10kmおきになります。休憩時間は長すぎると体が冷えてしまったり、子どもたちが遊び始めてしまうので逆効果です。
サポートカーを使う場合、車は集団がスタートしてから10分くらいして走り出し、集団を抜かして1、2分したら一旦適当な場所を探して停まり、再び集団が追い越して10分くらいしたら走り出すということを繰り返します。
体調が悪い場合は、必ずリーダーの子どもや大人に伝えるように、子どもたちには伝えておきましょう。体調が悪くても無理して走ろうとする子がいますのでご注意を。心配な子どもには「大丈夫?」と尋ねるのではなく、「スピードは少し落とした方がいい?」や「どこか痛いところある?」というように答えやすい声かけをしましょう。
初日は、子どもたちがまだ元気なので、体力を使いすぎないように抑える必要があります。2日目、3日目とだんだん慣れて、かつ疲れてきて注意力が散漫になりがちになります。その場合は、休憩を少し長めに取り、自転車から離れて食べ物や景色などに意識を向けさせるのがいいです。どこか停まれるところで停まって、笑わせる、体内の空気を新鮮なものに取り替えるイメージで深呼吸をさせるなどしてから再開する方法もあります。
グループ内でスピードの速い子と遅い子が出てきた場合は、どちらにもストレスがかかります。遅い子どもがプレッシャーを感じると、無理をして怪我や事故の元になります。速い子にはみんなで助け合って達成することの楽しさが感じられるような声かけやムードづくりを心がけるとともに、休憩のタイミングで発散できる機会を作るのもよいでしょう。必要に応じて、グループのメンバーを組み替えることも臨機応変に行いましょう。
休憩時は
水分や補給食をこまめに取るようにしましょう。大人は、全員が水分や補給食を取ったか確認しましょう。
寒い時期はあたたかい飲み物やカイロで体を温めるようにしましょう。
また、元気なうちは休憩時でも走り回る子がいますので、ゆっくりさせるように注意しましょう。
暑い時期の注意
夏場のサイクリングはお勧めしませんが、どうしても夏休み時期しか時間が取れないこともあります。また、春や秋にも時にはかなり暑い日があります。暑い時の体調管理にはくれぐれも配慮してください。
服装
個人差はありますが、日に焼けると体力を消耗する人は多いです。肌の露出を抑えるための準備があるといいでしょう。
水分と塩分の補給
暑い時期は特に十分な水分補給が必要です。1時間に一回くらいはトイレに行くくらいこまめに水分を取るのが理想です。汗で失われた塩分を補うことも忘れないでください。水分だけを摂ると、かえって体内の水分が排出されるようになります。休憩のたびに、水分と塩分の補給を子どもに促してください。喉の渇きを癒やすには、市販のスポーツドリンクを半分に薄めたものが適切だと言われます。
補給のための準備
あらかじめ粉末のスポーツドリンクを購入し、水で溶いて冷やしたものを持参しておくとよいでしょう。水筒の中身が残り少ないからといって子どもが水分摂取を我慢することのないよう、声をかけてください。
補給食には、いつもの品に加えて塩飴や梅干しを持っていくとよいでしょう。
体を冷やす
特に暑いときは、かき氷系のアイスキャンディーなどを食べたり、水道の水を頭からかぶったり、濡れタオルを首や頭に巻いて走るのも火照った体を冷やすのに役立ちます。服が多少濡れてもすぐに乾きます。アイスキャンディーは、口の中で溶かしてから飲むようにするのがいいです。
休憩
気温が高い場合は30分ごとに休憩を取り、子どもたちの様子を確認しましょう。
暑くてしんどそうな子がいれば、首や脇の下を冷やし、靴は脱がせて日陰や涼しいところで休ませましょう。
熱中症の診断や対策について、付き添う大人は全員が事前にしっかり学んでおくようにしてください。
お尻が痛くならないように
お尻が痛くなる一番の原因は、サドルが低いことです。低いと体重がすべてお尻にかかってくるためです。サドルを高くすると、両手とお尻に体重が分散されるので、お尻が痛くなりにくくなります。
クッションの入ったサドルカバーを使うのも一案ですし、痛くなってきたら何かクッションになるものをサドルに巻き付けるのでもいいです。ただし、クッションが多すぎても足を動かす際に抵抗になり、疲れやすくなるので注意しましょう。
トラブルの時は?
パンク等、自転車のトラブルが起こった場合、すぐに修理できそうなら集団を止めてその場で修理し、完了したら再び皆で走り出します。
その場で修理が不可能、または時間がかかりそうな時は、ひとまず他の人たちには先に行ってもらいます。その子と自転車をサポートカーに乗せて近くの自転車店で修理し、修理が完了すれば車で再び他の人たちを追いかけます。サポートカーがない場合は、タクシーを呼ぶなど対応を考えます。
体調の悪い子がいる場合は、無理をさせずに車に乗せて、可能そうなら景色のいいところだけを走らせるなど、臨機応変に対応してください。
走行後にすること
体力が残っていても走り回ったりせずに、ゆっくり休んで明日に備えるようにします。
ストレッチやマッサージをしましょう。足を中心に全身の筋肉をほぐしておくと体に残るダメージを小さくできます。
「今日はよくやった」と声をかけることで、翌日へのモチベーションを高めることができます。大人がそう声かけするだけでなく、子どもたち同士が「みんなでがんばった」という思いを持ってねぎらいあえるようなムードを作ることも心がけましょう。
リーダーの子どもに、何か変わったことがないか確認しておいてください。
しばらくして体調を崩す子がいる場合がありますので、走行後数時間は気にかけておいてください。
食事は体への負担の少ない消化のいいもの、傷ついた筋肉を補うためのタンパク質を中心に、バランス良く摂るようにしましょう。
大人はミーティングを行い、気にかかった点や注意事項を共有しておきましょう。