+cycle(プラスサイクル)から広がる輪
「+cycle(プラスサイクル)」構想とは、次のようになっております。
「+cycle(プラスサイクル)とは、暮らしのなかで、常に自転車を選択肢のひとつとして考えてみましょうという考え方です。自転車だけを強調するのではなく、自転車の可能性を考えたり、自転車という選択肢を常にあるものとしてとらえていこうというものです。
たとえば、講演会を企画するときに、自転車利用者のことを考えていますか?
たとえば、商店街活性化のときに自転車利用者をどうとらえていますか?
たとえば、開店時に自転車来訪者のことは?
たとえば、家を建てるときに自転車のことは?
たとえば、プレゼントに自転車は?
たとえば、観光に自転車は?
たとえば、、、、、
そう、自転車はあたりまえにそこにあるシーンなのです。
自転車に最初にまたがったときから、私たちは「+cycle(プラスサイクル)」に参加します。自転車は、カラダの能力を拡張してくれるツールであるとともに、シンプルなマシンという技術との出会いの場でもあります。ペダルを漕ぐこと、そして部品交換をするといった体験の中で私たちはカラダとわざ・技術を学んでいきます。そして、乗りこなすことができたとき、カラダの力を再認識することになります。技術とカラダによってこんなにも楽しい経験をすることができます。やがて健康やリハビリといったカラダとの関係のツールとしても位置づけられます。さらに、乗りこなすことで公道に出ていくことから、交通マナーやそして交通ルールも学ぶことにつながります。クルマという交通や歩行者との関係、そしてひとや社会がどのようになりたっているかもわかるツールになっていきます。まちを知ることから、さらに道路や交通、環境問題について学ぶことにつながります。
移動やエネルギーについても考えが広がっていくでしょう。自転車はただ乗るだけのクルマとは異なり、わざを学び、カラダを学び、社会を学び、環境を学ぶ基点になるものなのです。
つまり、「+cycle(プラスサイクル)」を考えて実践していくことは、単に自転車利用を増やすということだけではなく、私たちが楽な暮らしを選んできたことによって外部化してしまった、わざ、カラダ、ひと、まちとのつながりを、自転車を媒介としてもういちど取り戻そうという取り組みなのです。
*スローテク:過去や先達の暮らし方にヒントを得ながら、現代のテクノロジーを用いて、新しい意味や解釈を生み出すようなわざ・仕組みをさす。 (例えば、ローテクな昭和の輪タクに最新の自転車技術を取り入れたベロタクシーや、古く使い勝手の悪い町家をリフォームして町家カフェへの再生など。)