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2015年4月19日

自転車をそのまま持ち込める列車「信楽高原鐵道」

輪行をもっとかんたんに



 自転車を分解して、もしくは折りたたんで専用の袋に収納し、鉄道や船などの公共交通機関に乗せて移動する「輪行」。便利な半面、ルールやマナーの問題があったり、ある程度の知識や技術が必要だったりと、敷居が高い一面もあります。またかんたんには分解できないシティサイクル(いわゆるママチャリ)は輪行が非常に難しいという側面もあります。

 より多くの人が輪行できるように、そして自転車と公共交通機関の活用を推進するため、一部で採用されているのが、自転車を分解したり、袋に入れたりしなくても、そのまま乗り物に持ち込めるという方式です。

 海外では採用されているところも多いのですが、満員電車が常態と化し、人が乗ることさえも困難な時間帯もある日本ではほぼ不可能。しかし郊外の一部には、自転車をそのまま持ち込んでもいい路線があります。滋賀県では信楽高原鐵道や近江鉄道がその一例です。





信楽高原鐵道のケース



 貴生川駅から、信楽駅までを結ぶ信楽高原鐵道。紫香楽宮跡から信楽までの区間に限り、自転車をそのまま持ち込める制度が設けられています。詳しい内容や利用方法などについて、信楽高原鐵道・片木昭彦さんにお話を伺いました。



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 信楽高原鐵道に自転車を乗せる時の注意点は、対応している時間が限られているという点です。乗車可能時間帯は、午前10時〜午後3時半まで。通勤・通学で使用される方の少ない時間帯に限られます。料金は無料で、土日祝でも大丈夫です。2台以内での利用には、事前連絡も不要。ただし3台以上で利用される場合には、事前に連絡・相談の必要がありますのでご注意ください。

 気をつけたいのは貴生川駅からの乗車はできないという点です。全線対応していると勘違いし、貴生川駅でトラブルになることもあるそうですので、「信楽〜紫香楽宮跡のみ利用可」という点にご注意ください。



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 信楽高原鐵道の信楽駅には、駅構内にレンタサイクルが用意されています。シティサイクルは1日500円、電動アシスト自転車は1日1000円。レンタルと返却は信楽駅でのみ可能です。このレンタサイクルと信楽高原鐵道を組み合わせた輪行もできます。たとえば信楽で自転車を借りて、紫香楽宮跡まで色々と寄り道をしながらサイクリングします。そして自転車を列車に乗せて帰ってくれば快適かつ時間を有効に使うことができます。



 この制度には、鉄道の利用者増加を図るとともに、沿線観光に一役買おうという意図もあります。見どころが点在している信楽沿線は自転車を利用した観光が便利です。しかしアップダウンがあるため、移動に負荷がかかる。それを解決してくれるのが自転車と列車を組み合わせた移動です。



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 台風の被害により2013年から1年以上にわたって運休していた信楽高原鐵道。2014年11月29日にようやく列車運行が再開されました。そんな背景もあり、自転車の利用という点ではPRも積極的には行われておらず、制度の知名度も低いのが現状です。

 しかし「もっと輪行を組み合わせて列車を利用し、周辺観光にも出かけてほしい」との希望もあります。制度の利用者が出てくれば、それを目にした方がまた利用されるという好循環が生まれるかもしれません。せっかく整備された制度、従来の鐵道利用者の方と上手に共存する方向で、少しずつ広まることが期待されています。

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